廃墟スピンオフ とある廃病院

窓を開けると、少し灰色の混ざった青色の空が見える
そんな、晴れた日曜日の話でございます。
日曜日といえばストレスを発散するのに良き日でございますが、
その日は、起き抜けから、鈍痛に似たひどい頭痛がしており
話にならん、ロクでもない一日になりそうな気が致しました。
そんな頭痛の奥から、天の声がささやきかけます。
「廃人たるもの、テレビよりも先にパソコンを点けよ。」と。
その、ささやくようでいて小汚い声に従い、
ネットの世界をゆらゆらと逍遥しておりましたところ
A市の近代建築というホームページに辿り着いたのでございます。
そして、そのホームページで
私は確かに見てしまったのでございます。
モニターの中からどう見ても廃墟

伏字まみれの旧H医院という謎の病院が手招きする姿を!!

しかしながら、そんな蠱惑的な挑発にも私は余裕の面持ちでございました。
「ほう、挑戦状のおつもりですか…?」
と軽口を一つ吐き出し、コーヒーを一口含むという
欧州貴族さながらのスタイルを崩さずに、でございます。
というのも、A市は私が幼少のおりに過ごした土地でございます。
ホームページの写真を元に、脳内ヤフーを検索すれば
大体の位置は、おそらくは…と思ったのでございます。
まず、このような、旧家の小金持ちと
シャレにならない貧乏人どもが住まう場所と言えば
旧城下町周辺でございましょう。
そして、グーグルマップを起動させてみると
予想通り住宅地の中に、なにやら森発見でございます。
「ほう、これはあっけない。見つけてしまいましたよ。
おやおや、ここは近くで発砲事件があった場所ですね。。。
、、、、つーか、A市を代表する超危険地帯じゃねえか!!!」
三口目のコーヒーを吹きだしそうになりながら、
私の貴族気分は一瞬で崩壊したのでございます。
そう、幼少の記憶は余計な物まで掬(すく)い出してしまったようです。
「やべぇ…あそこ893まみれ、DQNまみれ、排ガスまみれの
3拍子揃ったこの街で一番住みたくない場所だぞ…mjやべぇ…」
県内一番の膿、A市。。。
そこは、その中でもA市の膿と言っても過言ではないでしょう。
そんな濃縮された膿の中に…ひとりで…逝ってしまう??
ひとつ言えるのは、
私をあれほど苦しめた頭痛がどこかへいってしまったという事実、
それが、その答えでございましょう。
そして、そこにはバイクのキーを指でクルクルと回しながら
「まったく話にならん、素晴らしい一日になりそうだな。」と
キチガイじみた言葉を発し、
自宅のドアを開ける私の姿があったのでございます。

追記:
周辺を散策しておりますと
予想通りブルンブルンという狂音を
珍走団が奏でておりました。
まったく期待を裏切らない街ですwwwwwwww
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