第十四回心霊廃墟OFF(広島編) 上巻

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おお小僧、なんじゃ?わしの話を聞きにきたとか?
ほう、そうかえ、そうかえw
何の話をしてほしいんじゃ?
ん?廃墟の話をせいと?廃墟というと、
あのボロボロの家とかホテルのことかの?
なぜそのような、、、なに!?ワシの写真を見たじゃと?
その話を他の誰かにしたのか?
・・ううむ。小僧よ。ようわかっとるのぅ。
そうじゃ、こういう行為は影でヒソヒソやるもんじゃよ。
よいか、他人に話すものじゃないんじゃぞ。

そうか、廃墟か。。最近は廃墟になる前に壊してしまうからのぅ。
古いもんはイカンとばかりにな。嘆かわしいことじゃよ。
最近の若いもんはほんに「もののあわれ」を解さん。。。
いや。。。よく考えたらワシらは昔から迫害されとったの。

やれ、怖いじゃの、危ないじゃの、変態じゃの、理解不能じゃの言うて。
あえてワシは言うが、アレ(廃墟)はアートじゃよ。

そうじゃ。
ワシは廃墟が好きじゃ。
廃屋が好きじゃ。
廃村が好きじゃ。
廃工場が好きじゃ。
廃ホテルが好きじゃ。
軍事廃墟が好きじゃ。
そんな建物が朽ちていくさまは、ほんに美しいものじゃ。
建物が木々に飲み込まれて、同化するさまは気高くも美しいものじゃ。
それに光が一筋あたり、ホコリ舞う廃屋の中で一直線のプリズムを演出されると、
神が降臨したのではないかと思うほど、美しいものじゃ。
そんな廃墟に至るまでの酷道すら、
冒険というアドレナリンをドクリドクリと出すための演出じゃ。
真っ暗闇の中、いわくつきの廃墟に入るのは美しくもあり、原始的な恐怖を感ずるものじゃ。
巨大な廃墟で迷いながら、散策することは、想像するだけでほんに心が踊る行為じゃ。
廃ホテルに入り、置き去りにされたパンフレットを読み、
当時を思い起こすのはとてもとても悲しいものじゃ。。


そんな可愛い廃墟達を見て、なんの衝動もうけん奴はすでに人間じゃあないわい。
まだ恐怖するやつは素質がある。
恐怖は想像力過多の生み出す産物じゃからの。
少し転ずれば、ワシらのように物事の本質がみえはじめるじゃろうが。

話にならんのは理解出来ず潰す連中よ。
これはもうケモノじゃ。生きる価値もない、ただのクソブクロよ。
小僧もそんな大人になってはならんぞ。
といってもまぁ、小僧は大丈夫じゃろ。
小僧のじいさまもワシらとよう凸しとったしの。
そうよ、やつは当時からとんでもない男よ。
そんな男の孫じゃ。サラブレッドという奴じゃな。
こういったことに興味をもつのも必然じゃろう。

ん、おお。この写真か。。
これは第十四回心霊廃墟OFFじゃの。。。
これの話がして欲しいのかの?
小僧のじいさまは、、、うーむ参加してたかの??

つーか、わし、覚えてるかのぅ。。。。


そうじゃな、ワシらがヒロシマに向かったのは山が燃ゆる秋じゃ。
紅葉に染まった山を左右に山陽道をただ突っ走っておった。
ワシらは忘れんよ。。
あの赤く染まった山と、毒ガス実験棟と、トンネルに入ったときの、ブレーキ音を。

あの日のワシらは狂うておった。
まぁ、いつものことじゃが、げに青春とは恐ろしいものじゃよ。
小僧もいつかわかるとは思うが、青春とはの、理性で荒ぶるココロを制御できん時期じゃ。
それも経験を積めば、まっとうな判断が下り、ブレーキをかけたりできるようになるんじゃが。
ワシらは廃墟に関してはまったくできんかった。

「廃墟じゃあああ、ひぁうぃごぉおおお、まんまみーやwwww」
西に廃墟ありと聞けば西へ向かう。東に廃墟ありと聞けば東へ向かう。
これぞ、まさに青春じゃよ。
理性なぞどこで使うておるか。廃墟潜入の悪知恵にしか使わんぞ。
廃墟に制御なぞおこがましいことなんじゃよ。

そんな心持ちでヒロシマを目指して追ったが
山陽道、、、遠かったの。
もうノンストップじゃった。
その時は、昼メシは広島焼きしかない。
サービスエリアで食う、それは負けという
なんか間違った負けず嫌いダマシイが燃え上がっておっての。

その心意気で車を走らせると3時到着予定が、2時半に、2時に、、、
まぁ当然じゃ。140km巡航じゃからの。
さすがのナビゲーションもこれは予測不可能じゃわい。

広島県に入って、少ししたくらいじゃ。
トンネルにさしかかると真ん中くらいで、大渋滞しとっての。
急ブレーキなど間に合うはずもなく。
どかぁあああああああああああああああああああああああああああんんんんんんんん!!!!!!



・・・・・・・・・・うそじゃ。

ワシらは止まれたわい。運転手の鬼太郎先生が変態じゃからの。
ただ、後ろから聞こえるブレーキ音がギリギリ感あふれるサウンドでの。
きぃいいいいいいーーーーーーきぃいいいいいいいい!!!!と
タイヤとアスファルトの摩擦音が鳴り響いておっての。
こりゃあ、死ぬなと思ったわい。
しかし、アーチストあたりはそれを望んでおったのではなかろうかの?
後ろで事故れば、これ幸いますます浮かれて写真を取りに行ったであろうの。
んで、当時ならwebでうpじゃな。
奴はそういう好い男じゃったからの。 

そうこうするうちに大渋滞じゃ。
今も昔も馬鹿はいるんじゃよ。
イライラしながら車を走らせると2時到着予定が、2時半に、3時に、、、


そうこうする内にようやく、ヒロシマに着いたんじゃ。
ホテルはなんぞ、ワシらには似合わん西洋風での。

そうそう、ヒロシマといえばアーチストの故郷でのぅ。
これまた、原爆トークのプロでの。
いろいろためになる話を聞いたわい。

小僧もいつか行ってみるがよいぞ。

ワシらもお約束のように
宮島、原爆ドーム、原爆資料館に入ったんじゃが。

戦争はイカンぜよ!!!
悲惨じゃわい。負けたら特にイカン!!!
特に近代兵器は容赦無さすぎじゃ。
アーチスト曰く、「爺さんが言うにはこれそのものっすよ」だそうじゃ。


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ワシは震えたわい。
この世の地獄ではないか。
もう一度言うぞ、戦争はイカンぜよ!!!
戦争とは最後の最後の手段じゃ。

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そんな面持ちで原爆ドームに行ったんじゃが
これはもう、廃墟界の出世頭じゃの。
国宝であり世界遺産であり廃墟。神じゃの。入りたいのぅ。
しかし、入ったら係員と戦争になるのでグッとこらえたんじゃ。
戦争はいかんぜよ!!!


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その後、宮島で鹿をあおった後、広島駅で広島焼きを食うたんじゃが。。。
この世に電光石火の広島焼きほど上手いものはないと言い切ってもいいじゃろう。
ふんわりとした卵に包まれ、湯気でホクホクのキャベツ達をうめぇうめぇと口に運べば、
トロリとしたオタフクソースが舌の上で溶けてゆき、
それを嚥下すれば量の多さ故に心地良く喉に、つっかえながらも
その温度を失わずに胃の腑に落ちるんじゃ。

声帯が二つあれば「うっっひょおおおおおwwwwww」と
のたまいながら食うておったところじゃよ。

そんな感動の中、ワシも鬼太郎先生も気付かなかったんじゃが
アーチストの横では三十路女二人が女子力うpトークをしており
その無様なトーク内容にアーチストの拳が震えておった。
アーチストよ、戦争はいかんぜよ!!!

まっ、そんなこんなでキャイキャイ言いながら
夜を過ごしたワシらは朝を迎えた。


朝飯も食わず惰眠をむさぼり、大都会広島を出たのは9時半くらいじゃったかの?
そこから2時間ほど高速や田舎道を走り、ワシらは小さな港についた。

その港の先には小さな島がある。
小僧が見た写真はそこで写したものじゃ。。
そこはの、大久野島という毒ガスの実験島じゃったんじゃよ。
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2014-05-26 16:43 : 第14凸レポート(広島毒ガス島編) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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