第十一回心霊廃墟OFF(三重、鉱山) 第一話

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ある熱い夏の夜、ひたすら東に向かい疾走する車があった。


その車の中ではUG4と呼ばれるモノたちが、歓喜の歌を歌っていた。
その歌声の中でネロは決意していたのだ。
必ず、かの邪智暴虐の廃墟へ行かなければならぬと。

ネロには政治がわからぬ。
ネロは普段も、廃墟アングラである。
廃墟にまどろみ、廃墟と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

それは過去の話である。
雪で真っ白に彩られ、UG4の足を凍傷寸前にまで追いやった
あの美しくも恐ろしい廃墟。
それが蔦に絡まる姿を想像しネロは勃起したのだ。

この季節には雪はない。
夏の蔦に絡まるあんちくしょうを心ゆくまで堪能し、
かの邪智暴虐の廃墟を完全、屈服させるのだ。



そして、夜更け、ネロたちは野を越え山を越え疾走した。
「マンマーミィヤァアアア」「アワワワワァ」
そんな嬌声を発し、彼らはY温泉の外れに着いたのである。

Y温泉とは、過去一大温泉地として名を馳せた場所だが
現在は、ゴーストタウンと化している場所である。

しかし、早々に浴衣で廃墟を巡ろうという考えは
浮かれすぎ体力ゼロの彼らに実行出来るわけもない。

宿屋でパソコンに電源を入れ
ニコニコ動画顔出し生放送の出演者たちに
「はよ、ぬげ」「おい、メンヘラか?」など邪智暴虐なコメントを投げ続け
出演者の楽しみに水をさす悪魔たちがいたのである。



そんな夜が明けた。
彼らは温泉につかり、
まずはY温泉廃墟群に向かった。



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着くと確かにそこは、右も左も廃墟まみれの場所であった。
しかし、そこには警察の姿があった。
人間の数も思った以上に多かった。
我々は官憲の力の前では無力なことを知っている。
何よりも我々の目的はチャチな廃墟ではない。
あの邪智暴虐なS鉱山なのである。




ネロは急いで田園風景を車で走らせた。
心でS鉱山に謝りながら、尚走らせ続けた。
何処と無く見慣れた景色に近づく。
一夜を過ごしたコンビニを過ぎ、細い路地に入り
ネロはようやく辿り着いたのである。



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「私だ! 凸するのは、私だ。ネロだ。私は、ここにいる!」と、
かすれた声で精一ぱいに叫びながら、水飲み場をモノともせず走りゆくネロの姿があった。
群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、マンマーミーヤと口々にわめいた。
「邪智暴虐の廃墟よ。」ネロは眼に涙を浮べて言った。
「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、別の廃墟へ寄った。
君がもし私を殴ってくれなかったら、私は君に凸する資格さえ無いのだ。殴れ。」
 邪智暴虐の廃墟は、すべてを察した様子でうなずき、水飲み場一ぱいに鳴り響くほど音高くネロの右頬を殴った。
殴ってから優しく微笑(ほほえ)み、
「ネロ、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。
私はこの半年の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」
 ネロは腕にうなりをつけて邪智暴虐な廃墟の頬を殴った。
そして、その翠に囲われた迷宮に身を投じんと駆け寄ったのである。

そうそれは、凸という名のUG4と廃墟の抱擁であった。



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2014-05-26 15:58 : 第11凸レポート(白石鉱山) : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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