第七回心霊廃墟OFF(福井廃村、廃校) 利助フォーエバー 最終話

豚ヲ殺セ、喉ヲきレ、血ヲ絞レ。
ウィリアム・ゴールディング 蝿の王より
廃村を堪能した我々は一度、態勢を整える必要があった。
もちろん、疲れたわけではない。
ホテルのベットで睡眠をとったオレと鬼太郎氏はMPフルマックスである。
メーターも二周ぐらいしておるのではないか?と疑うフルマックスぶりに、
今ならイオナズンも唱えられるかも知れんとほくそ笑んだものだ。
反して、残りの二名は、某国ストリートチルドレンの如く
やれ床だ、ソファだなどで横たわり、枕ではないものを枕と呼び
現代日本にあるまじき下等な睡眠の中、
もう、ホイミすら唱えらない状況であったのだが、
先程の廃村という異形な空間との遭遇に、
チンポがはちきれんばかりになっておったので、まあ、問題なかろう。
というかね、ハラへったのーq( ゚д゚)p
だって、もう13時過ぎてたしーq( ゚д゚)p
廃墟やホテルで回復するのはMPだけでーq( ゚д゚)p
HPはメシ食わないとーq( ゚д゚)p
というわけで、食事は急務である。
Iphoneを悠々と起動させるオレ。
ぐるナビよ、食べログよ。オレに力を貸すがいい!!
ヒット数10件…
小浜市は夜も昼も変わらずしょぼかった。
つーか、日本海なら寿司でしょ( ^ω^ )という言葉を頼りに
マシそうなトコロを探したのだが、
行った先にあったのはパック寿司と申し訳程度の座席のみ。
海原先生なら、この時点で店を大混乱に陥れること間違いなしだ(・∀・)
しかし、こんな安食堂が意外と侮れないのが田舎の不思議である。
うまい。うまいのである:(;゙゚'ω゚'):
エビの吸い物といい、パック寿司といい、日本海バンザイである。
海原雄山は引っ込んでろ!!
というわけで本編である。
我々は廃校舎のある小学校に向かった。

この村人によく整備された廃校舎に想いを馳せてみよう。
昔は子どもたちがこのグラウンドに、この校舎に充ち満ちていたのだろう。
しかし、もうここには誰もいない。
その事実に、胸が締め付けられるような感覚を覚える。
ひとり校舎に近づく。トビラには南京錠が見える。
潜入は不可能だろうと、引き戸に手をかけるオレ。
ガラガラガラー…━━━━(゚д゚;)━━━━!!
はーい、セキュリティの概念まるでなし。
なんなんだ!!!あの鍵はお飾りなのか!!
ええい、本日何度目の、話にならんなのか!!!!
怒声とは裏腹に浮かれすぎている俺たちが入らないワケがない。
それが孔明の罠だとしてもヾ( ゚Д゚)ノ゛
内部は資材置き場となっていたが
それでも、放課後の学校特有のもの悲しさが漂っていた。
木造という事もあって、黒板、チョーク、机、椅子がとてもよく映える。
とある教室に入り、記念写真撮影。
UG4、福井上陸(^ω^)と黒板に踊る、浮かれた俺たちの文字をバックに。
この文字消すの?消さないっす、記念っすwww
そんなやり取りの後である。アーチストがかがんでやってきたのは。
「やべぇ、ババアが畑から俺たちをwwww」
なんということだ。やはり孔明の罠であったのだ!!!
ちくしょう、警察行きは勘弁してください!!!!
こうして、俺たちのメタルギアソリッド、スネークごっこが始まった。
見つかれば蜂の巣という状況下で腰をかがめ、
なおも探索を試みる俺たちは、
まさに平成が生んだ廃墟を愛する頭が悪い特殊部隊である。
そうした状況下、オレは隣の教室へ逃げるように腰をかがめ潜入した。
ここは死角になるはずだと、ふと一息をついたオレの目に飛び込んだのは
黒板に丸い文字で書かれた「この学校を潰さないで!!」という言葉であった。
その悲鳴にも似た文字を突きつけられたオレの後ろには
JC氏がたたずんでいる。
「おれ…ちょっとさっきの落書き消してきますわ。」と一言残し、
いつになく神妙な面持ちで、部屋を出て行くJC氏。
ああ、これは、小さい頃ここに通ってた女性が、
願うように黒板にチョークを書き付けた文字なんだ。
ここはよそ者が荒らしていい場所じゃないんだな。
そんな想像でもしたのなら
おそらく、彼とオレは心を共有できたのだと思う。
そんな想いを沢山残したこの学校をでる。
そして、校舎をバックに記念撮影。
こんなにあたたかい廃墟は初めてだ。
そんな気持ちのまま、車に戻ろうとすると、文字がかすれた石碑を見つける。
そこには「昭和47年廃校」とあった。
38年間ずっと地域に愛されてきたから、こんなに綺麗なままなんだな。
…ん、ちょっと待って!!!
え、38年??ってことはだ。
あれ!!?黒板書いた女の子、少なく見積もっても38+6=44歳ってか!!!
えー、なんだかユメ壊れた気がするー(つд⊂)
その後、色々な想いを胸に温泉に向かう。
バスクリン製、蛍光ミドリの湯を浴び、そして、まどろみの中へ。
…本当に素晴らしい旅だった。
このUG4には、心地よい毒舌家が多い。
オレにとって、それはまるでコーラのようなものだ。
周りからは、やれ、骨が溶けるだの、カラダに悪いなどといわれる
悪評高いアメリカ生まれの炭酸水。
しかし、その液体が喉を抜け落ちる快感はオレにとって、何者にも代え難い。
それに似ている気がするのだ。
この廃墟探索は法的に倫理的にも毒であろう。
そんな悪行ですら、爽快な気分にさせる連中がいる。
だからオレはこの探検をやめられんのだ。
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